この予防維持の方法は、ある程度の不快レベルの受入れを必要とします。
多くの畜産施設において、我々が、ある程度の数のハエの存在を受け入れることができるのは、有益な生物が、ハエの個体数をある程度少ない状態に維持しているからです。
しかしながら、年に何度か、ハエの数が、もはや我慢のできない状態になるので、その時は緊急的に残効期間の短い空間噴霧剤を使用します。
顆粒状の毒餌(ベイト)をハエの集まる場所に散布するのも、実際には日々の農作業に追われ、残効期間は短くなります。
塗布(ペイント)法は、ハエの成虫に誘引物質を含む薬剤を舐めさせる塗布面が必要となります。また、薬剤使用濃度は、致死に至る最低量で、かつ薬剤耐性が獲得されない濃度でなければなりません。塗布面に止まったハエの成虫は確実に死滅しますが、それ以外のハエの成虫は薬剤に接触する機会がないため淘汰圧を受けることはありません。これは、繰返しになりますが、予防維持の方法に合致しています。
毒餌(ベイト)は、ハエの成虫への効果が最大になるように慎重に設置されますので、有益な生物への直接的な影響は少くなります。
さらにハエが発生するシーズン初め(または必要な時)に、ハエの幼虫に対してのみ効果のある幼虫駆除剤をハエの発生源に使用して、ハエの繁殖場所の要所要所を標的にすることもできます。
そうすれば、生物学的防除で利用する自然界の寄生昆虫や捕食生物は、畜産現場において生き残る機会を得ることができます。
実際には、ハエの発生源の要所要所に幼虫駆除剤を使用しながらも生き残ったハエの幼虫(薬剤耐性遺伝子を獲得しているかもしれません)は、寄生昆虫や捕食生物によって死滅するか、または幼虫駆除剤に暴露されていない外部から飛来するハエの成虫と交尾することになります。
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