ハエの種間の競合も、ハエの集団の大きさや構成に影響を及ぼすもう一つの要因となります。
最も注目すべき例は、アメリカミズアブ(英名:Black soldier fly)Hermetia illucensです。この大型の幼虫は、糞尿を掻き回し、他の種のハエの幼虫の生息場所やイエバエ及びイエバエ科の他の種のハエの産卵場所を、物理的に適さない環境にしてしまいます。アメリカミズアブの幼虫の発育は遅いので、糞尿中には多数の幼虫が集まっています。この種の幼虫は、鶏糞中(特に高床式もしくは床下深くに糞尿ピットのある鶏舎)及び養豚の糞尿ピット内で、極端に大量発生することがあり、畜産施設では、ハエの優占種になることがあります。
イエバエと競合する重要なその他の種のハエとしては、ヒメクロバエ(オフィラ)(英名:Black garbage flyまたはDump fly)Ophyra spp.があり、幼虫は他の種のハエの幼虫を捕食します。アメリカミズアブと同様に、ヒメクロバエも、時々、鶏舎や豚舎で大発生します。
その他の種のハエでは、畜産施設内またはその周辺でハエの発生数のレベルを左右する主な要因となるようなハエ同士の競合は、ほとんど起こりません。さらに少量の糞尿またはその他の発生源となるものは、常にハエにとっては十分な量であり、多くのイエバエ科の幼虫の発育を助けています。
|